執筆:歯科感染管理協会 編集部 / 監修:長谷川雅代(歯科衛生士・教育委員長)
医院の休診日明け。年末年始や医院全体で数日間休診をしたなら、診療をはじめる前に必ず行ってほしいことがあります。それはフラッシングです。歯科のユニットは給水回路が備わっています。フラッシングの必要性を知っておくことが大切です。
フラッシングとは
残留水を排出させることを『フラッシング』と言います。すでにフラッシングを習慣化されている医院にとっては当たり前のことですが、歯科のユニットの内部は多くの給水回路があります。その給水回路に溜まった水は時間が経つと雑菌が増えている状態になります。
例えば、「1週間前にコップに汲んでおいた水道水。そのまま抵抗なく飲めますか?」それをイメージするとよいです。フラッシングはその汲んだコップの水を捨てて、新しい水を汲む準備をするようなイメージです。
休みの間に配管に溜まった不潔な水を患者さんに使用することのないように、ユニットから水が出てくるところすべての排水を行います。タービン、エンジン、3wayシリンジ、患者さんのうがいの水、その他、医院によってはエアースケーラーなど、いろいろあるはずです。
自動排水の機能がついているユニットもある
ユニットの装備として、フラッシングを自動でしてくれる装置のついたものもあります。診療が終わったあと、あるいは診療前にホースを一定の場所に差し込んでおくと自動でフラッシングしてくれるものです。フラッシングができるユニットをお使いなのであれば、そのシステムを大いに活用してください。フラッシング機能があるかどうかはユニットの取り扱い説明書に記載されているはずです。
手動でフラッシングできる
手動でも十分にできます。1〜3分間ほど水を流したままにすると良いだけです。お使いのユニットのメーカーの推奨方法がありますので、「今までやったことがなかった!!」という医院はこの機会に必ず調べてみてくださいね。とても大切な感染対策です。
フラッシングについてさらに詳しく
歯科理工学雑誌の特集でフラッシングの重要性について書かれた記事のPDFのリンクを貼っておきます。参考にしてくださいね。
まとめ
休診明けは必ずフラッシングをしましょう。歯科医院は給水がなければ診療ができません。感染対策は見える部分だけではありません。ホースの中の感染対策にも目を向けてみましょう。
監修
長谷川 雅代
歯科感染管理協会 教育委員長 / 監修責任者
歯科衛生士(33年)
1993年堺歯科衛生士専門学校卒。30年以上の臨床経験を持ち、現在も臨床に立ち続けることで「歯科医院の今」を熟知する。その豊富な知見を強みに、スタッフ教育や院内環境の改善に携わる。DHマネジメント協会に所属し、新人教育や標準予防策に基づく意識改革を提案する専門家として全国で研修を行う。理想論に留まらない、現場を知るからこそ可能な実践的感染管理システムの構築とマニュアル整備に注力している。

