布タオルよりペーパータオルがおすすめな理由

手指衛生
執筆:歯科感染管理協会 編集部 / 監修:長谷川雅代(歯科衛生士・教育委員長)

石けんと水でしっかりと洗った手を拭く際には布タオルではなく、ペーパータオルで拭くことが勧められています。布のタオルよりもペーパータオルが勧められる理由を解説します。

布タオルで起こる感染

交差感染は「もの」や「ひと」を介して起こる感染のことを言います。布タオルは交差感染の心配があります。理由は一旦タオルを使用するとタオルは湿ってしまいます。湿ったタオルは温度によって細菌の繁殖が起こってしまいます。湿った場所を好む緑膿菌やセラチア菌が増殖する可能性が出てきます。せっかく手洗いをしても、菌が増殖しているタオルで手を拭くと、また手が汚染されてしまうのです。手洗いをした後は乾燥した清潔なもので水分を拭き取るのが原則です。

家族の誰かが感染症を発症している場合は特に要注意です。感染症を発症している人が使用した布タオルで他の人が手を拭くことにより、ウイルスや細菌が他の人の手についてしまいます。これが交差感染です。そして感染は家庭内に広がってしまうのです。

ペーパータオルにする理由ートイレー

多くの感染症は「人の体液」に含まれる菌やウイルスによって伝播します。トイレは排泄物を処理する際にウイルスが拡散する可能性の多いにある場所です。また、ドアノブ、便座、洗浄レバーなど、手が触れる場所が多いので、そこに共用のタオルを置いておくのは感染を広げるリスクがあります。布タオルではなく、ペーパータオルを設置することにより、交差感染を防ぐことができます。

ペーパータオルにする理由ー洗面所ー

洗面所で石けんと水で手を洗った後、水分を拭き取る際には「乾いた清潔なものを使用する」のが感染症対策では原則です。感染症を発症している家族がいる場合、特に同じタオルを共用するのは、家族間での感染が懸念されます。ハンドタオルを1人1回1枚をルールにして、毎回洗濯を行うようにすれば布タオルの使用が不可能ではありませんが、ペーパータオルを使用する方が洗濯の手間がなくなりますので楽です。

ペーパータオルにする理由ーキッチンー

キッチンでのペーパータオルの使用は食中毒の予防にも効果的です。調理の前に手洗いをした際にも布タオルよりもペーパータオルの方が清潔です。また、調理中は肉や魚、玉子などに触れる機会も多いです。手を洗っても布タオルで手を拭いてしまうと、食中毒関連菌がタオルに付着している可能性もあることからペーパータオルを使用する方が安全な環境になると考えられます。

 

ペーパータオルを使用する利点はたくさんあります。生活の中に取り入れることで、感染対策になります。前向きに検討していきましょう。

歯科衛生士/第2種滅菌技士/第1種歯科感染管理者

長谷川雅代

長谷川雅代

監修

長谷川 雅代

歯科感染管理協会 教育委員長 / 監修責任者
歯科衛生士(33年)

1993年堺歯科衛生士専門学校卒。30年以上の臨床経験を持ち、現在も臨床に立ち続けることで「歯科医院の今」を熟知する。その豊富な知見を強みに、スタッフ教育や院内環境の改善に携わる。DHマネジメント協会に所属し、新人教育や標準予防策に基づく意識改革を提案する専門家として全国で研修を行う。理想論に留まらない、現場を知るからこそ可能な実践的感染管理システムの構築とマニュアル整備に注力している。